
マサイマラのトムソンガゼル(Thomson’s Gazelle / Gazella thomsonii) 。以前グラントガゼルを誤って本種と紹介してしまいましたが、これが正真正銘のトムソンガゼルです。鉛筆のような小さな角をもつこの個体は雌です。トムソンガゼルの最大の天敵はチーターです。長い共進化の歴史の中で、両種は互いから逃れるため、捕えるためにスプリンターとしての能力を高めてきました。ガゼルの最高速度は時速80km。速度の上では時速113kmを誇るチーターには敵いませんが、スタミナと小回りのよさではチーターを上回ります。「競走」相手がいなければ、ここまで早く走る必要がなかったのですから、ある意味チーターはガゼルが、ガゼルはチーターが作ったと言えるでしょう。そしてその自然選択による進化は、飢え死にしたチーターや捕食されたガゼルが居たからこそ起こりました。このことは、死は生の敗北ではなく、「生きること」の一つの形であることを暗示しています。自然選択と言うと、何か味気ない考え方のように捉えられがちですが、その意味を深く深く掘り下げてゆくと、そこにはどんな宗教より豊穣な神話が隠されています。
カメラ: Pentax K-5
レンズ: DA☆300mm F4.0
絞り: F6.3
露出時間: 1/2500 sec
ISO感度: 800
アフリカ雑貨・写真集など
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