
マサイマラ国立保護区、マラ川のカバ(Hippopotamus / Hippopotamus amphibius)たちです。カバは基本的に夜行性で、暑い昼間に顔を出すことはあまりないのですが、この日はカンカン照りの中、群れ総出で姿を見せてくれました。
最近の分子遺伝学の手法を使った研究で、カバはクジラと近縁であることが明らかになりました。言われてみれば確かに水生であることや毛が無いこと、大きく開く口はクジラと共通ですね。以前はカバとクジラの共通点は収斂進化、言わば「他人の空似」だと思われていたのですが、実は他人ではなく兄弟だったということです。この発見によって、「偶蹄目」、「クジラ目」と言う分類群は廃止され、新たに「鯨偶蹄目」が創設されました。これによると、ウシなどの反芻動物から見るとラクダやイノシシよりクジラのほうが近縁ということになります。なかなか人、いや獣は見かけによらないものです。ちなみにこの発見をしたのは日本の東工大のグループです。しかも以前学会発表を聴いたことがあるのですが、SINE (動く遺伝子の一種)を使った類縁関係の推定というのが、当時同じく動く遺伝子の研究をしていた私には非常に興味深かったのを憶えています。先日はiPS細胞の山中教授がノーベル賞を受賞しましたが、日本のバイオもなかなかやりますね。残念ながらノーベル賞に完全な基礎生物学を扱う部門が無いので、東工大の岡田先生はノーベル賞を貰えそうにありませんが(笑)。
カメラ: Pentax K-5
レンズ: DA☆300mm F4.0
絞り: F5.6
露出時間: 1/1600 sec
ISO感度: 400
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