
今日は珍しく動物のいない風景、ケニア山の山頂です。ケニア山はケニアの国名の由来にもなっている、標高5,199mアフリカ第二の山です。富士山やキリマンジャロ山と同じく一つの成層火山ですが、頂上付近は氷河に削られて幾つもの険しい峰を形作っています。私が登ったのは標高4,985mのレナナ峰で、ここが高度なクライミング技術が無くても到達できる最高地点になります。写真に写っているのがレナナ峰頂上から見た、最高峰のバティアン峰です。往路に3日、復路に2日のタフな山行ですが、山頂からの眺めはケニア生活の最後を締めくくるに相応しい素晴らしいものでした。
さて、ここケニア山国立公園を含め、ケニアには沢山の国立公園、保護区があるのですが、一番好きなところ、おススメのところ、というのを良く訊かれます。何処の国立公園もそれぞれに特色があり、風景や気候、見られる動物も異なり、一つに決めるのは正直とても難しいです。ただ初めてのサファリと言うのでしたらやはりマサイマラ国立保護区が一番のおすすめです。なだらかな草原の丘が地の果てまで続く風景は他では見られないものですし、何より動物の生息密度が高く、ライオンやチーターなどの肉食動物が高い確率で見られる場所は他にありません。また8月と11月にはヌーの大移動を見ることもでき、宿泊施設・パッケージツアーなども充実しており、日本人が経営しているロッジもあります。アフリカでのロッジと言うと、物凄く粗末なものを想像するかもしれませんが、実際は逆で、サファリツアーが欧州の王侯貴族の狩猟旅行を由来としている事から宿泊施設・食事ともにかなり豪華なものです。バックパッカー向けの格安ツアーでも、粗末な掘立小屋と言うことはなく、最低限の質は確保されています。サファリ初心者には他にキリマンジャロの雄大な風景とゾウの群れを見ることができるアンボセリ国立公園、シロサイをほぼ確実に観察できるナクル湖国立公園などがおススメです。逆に個人的に一番思い入れがあるのはツァボ・イースト国立公園です。ツァボ国立公園は東西合わせて四国ほどの面積があるケニア最大の国立公園で、赤土の一見荒涼とした大地は、実に豊かな生態系を育んでいます。見どころは何と言っても「ツァボの赤ゾウ」こと赤土を身にまとった赤いゾウです。運が良ければ繁殖期のゾウの大集会を見ることができます。視界に百頭ものゾウが入る圧倒的な光景は、もはや地球上でここ以外では見られないかもしれません。またケニアで見られる殆どの大型動物が生息しており、鳥類は500種を超えます。ただ動物の生息密度はマサイマラに比べるとずっと低いので、特に肉食動物との遭遇は運頼みになります。
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