
ナクル湖国立公園のクロサイ(Black Rhinoceros / Diceros bicornis)。クロサイのハッキリ写った写真は持っていないと思っていたのですが、ライブラリを整理していると違和感のあるサイのシルエットが目に入りました。もしやと思って調べてみると、案の定クロサイでした。判断の基準は色が黒いから・・・ではなく、尖った上唇、体に対して比較的小さな頭、耳から上側の角までの長さが短いことです。(シロサイとクロサイのいい加減な名前の由来についてはこちらを参照。)20世紀初頭には数十万頭は生息していたと見られるクロサイですが、現在はアフリカ全土で数千頭しか生き残っていない、極めて差し迫った絶滅の危機に瀕している動物です。サイの角は漢方薬の材料として極めて高い値段で取引されるため、常に密猟の危険に曝されています。ケニアでは監視の目が行き届きやすい小さな国立公園、ナイロビ国立公園とナクル湖国立公園で重点的にサイの保護が行われています。またアフリカゾウはサイを毛嫌いする性質があり、気の立った雄ゾウがしばしばサイを攻撃するため、ゾウの居ないナイロビ・ナクル両公園はサイの保護地にうってつけの地となっています。